SSブログ

稲垣えみ子さんトークショー [日々のこと]

8月24日(金)
ちょっとブログが前後していますが私の覚書として。

IMG_4870.JPG

何度かテレビでお見掛けしていた稲垣えみ子さん。
たまたま見つけた広島でのトークショー。まだ募集中だったのですぐに申し込み。
トークショーや読んだ本の中で取り留めもなく箇条書き。

・電気は無いものとしての生活を始めたので自分の世界には電気がないと言う設定なのでエレベーターやエスカレーターは使わない。
・部屋に帰ったら照明はつけず目が慣れるのを玄関で待つ。目が慣れると案外見えてくる。
・電気がないことで使っていなかった脳みそを使い「工夫をする」と言う眠っていた機能が動き始めた。
・電気やガスを無くしたことで街全体が家みたいになっている。
お風呂は銭湯。冷蔵庫は街のスーパーやコンビニ。本はブックカフェで読むなど。常連になるので貰いものまで頂くポジションに。
街の大きな家を維持するためにはお店に元気でいてもらわないといけない。せっせと通う。親しく声をかける。
自分にとって大切なものを提供してくれるひと(店)にはむしろ多めに払うくらいの気持ちが丁度いいんじゃないか。応援券として使う。自分だけじゃなく、相手にもトクをしてもらう。
・暑さは観察するしかない。蚊の羽根で涼しさを感じてしまった。
・寒さはこんにゃくで暖を取っている。もう2シーズン目を迎えるこんにゃくは腐らない。
・苦手な人が居たら観察して何かひとつくらい良いところがあるのを見つける。
・小さな幸せは結構ある。
・やりたいことは旅行。
・将来の目標はない。
・豊かさとは様々。
・欲が小さくなると生きることの可能性が増えてくる。
・電気を使わないことで豊かな世界が広がる。電化製品などを無くしたことで自分の新たな才能を見つけられた。家事が嫌いだったのに好きになった。
便利は人を退化させ、不便は人を進化させる。
・無くすことは怖いことではない。
・生きていくためには沢山のモノを持つことが必要だと思っていたが実は足りていた。余っていた。思い込みから解き放たれた。
・冷蔵庫を捨てたことで保存が出来なくなり、単純な料理になっていった。保存できないから野菜は冷蔵庫に入れていたのを干すという形に変えた。
その結果、毎日同じようなモノばかりを食べるようになった。
一汁三菜的な江戸時代のような食事。
でも物足りなくもないし惨めでもない。むしろ毎日食べても飽きない。体調も良い。
・洗濯機を捨てたらタオルや下着の量も減った。手で洗うので大量のモノが洗えないから自ずとその日の汚れ物はその日に洗うようになった。結果ストックを持つ必要がなくなった。
・人生とは至る所に素晴らしい冒険のタネが潜んでいるのだ。
・世の中は自分の思うようには進まない。頑張っても物事がうまく運ぶとは限らないし、うまく運んだところで自分の望むような評価が得られるとは限らない。
・人の悩みのほとんどは、過ぎ去った過去を悔いたり、まだ来ぬ未来を思って心配したり悩んだりすることそのものにある。
・失うことをだけをやみくもに恐れるようになる。それが今の世の中における「不安」の正体ではないのか。
・我々が恐れるべきなのは、収入が減る事よりも、自分自身の欲そのものである。暴走し、もはや自分でもコントロールできなくなったぼんやりとした欲望。
・欲がなくなることで自分が生きていくために本当に必要なことのあまりの小ささに思い知らされ、この程度のちょっとしたモノで生きていけるのだと思ったら不安がなくなった。
・可能性を閉じて生きてみる。その可能性にかけてみようと思っているのである。
・上を見て生きることは素晴らしい。でもそのことだけが素晴らしいわけじゃない。ずっと上を見て生きてきたんだから、ここで違う方向へ乗り出してみるって、なかなか楽しいことなんじゃないか。
・本当の自由とは、その思い込みを脱すること。すなわち「なくてもやっていける」自分を発見すること。もう何も追いかけなくてもいいんだと知ること。
・「もう自分を大きく見せることは出来ない。でもそれでいいんじゃないかと。必要以上に自分を大きく見せなくたっていいんじゃないかと。」
「これまでずっと、それをみじめなこと、さみしいことなんだと思っていた。言い換えれば、私は私の寂しさを覆い隠す為にみじめな自分をみじめじゃない存在にする為に身の回りの様々なものたちで覆い固めて膨らませていたのかもしれません。」 
すでに自分には十分足りていたということ。


稲垣さんが電気のない生活が出来そうな人?とトークショーの初めと終わりに問いかけられました。
私は何だか出来そうな気がしたので手を上げました。

そこで私が必要と思う家電。
・洗濯機・電気式毛布・照明・扇風機
エアコンは元々あまり家では使わない。
家にエアコンを付けたのは割と結構な大人になってから。あってもほとんど付けない(笑)。
田舎であるということも言える。
電気代といえばお店の電気代をどう減らすかを考えているかもしれません。
でも多分フル営業の割には低いかも???
毎月の電気代の請求書が楽しみ。


お店を始める前の私は「いつもまだまだ私には何かが足りない。」と強迫観念に駆られていました。
私も会社を辞めてある意味ミニマムに生きることを始めたひとりです。
会社員時代のような毎月の安定したお給料もなければ保証もない。
対価が小さくても別の豊かなものに価値を見つけて生きていくということ。
お店を始めるときに思ったのは持っているお金は減るし、増えることもないかな? でも見えていたのはお金では買えない人やモノとつながる事での豊かな世界でした。
この歳でこんな状況もどうなのか?とも半面思いましたが逆に楽しんでやろう!位の気持ちだったように思います。
ただ現実はそんなに小説のようには行きません(笑)。だんだんと気持ちがしぼんでいくこともあります。

トークショーの最後に本にサインをして頂いたのですがそこに書かれていたのは、「人生はこわくないの一言。
IMG_4865[1].jpg

私はお店を始めたころには同じことを感じていたのに何かがまた不安になってきているのでしょうか?
そんな問いかけを稲垣さんにしたところ、「それはきっとお店というモノを持ったからかもしれませんね。」と。
このお店を維持しなくちゃいけないとか、守らなきゃとかお店が持ち物になってしまっている。
目的がすり替わってきているのでしょうか?
「でもそれイイことだと思います。お店をすること。」と言って頂きました。

生きていると色んな波がやって来ます。
きっと今の私はその順番に寄せてくる波間にいるのでしょう。
上がることもあれば下がることもある。生きていれば必ずやってくる波の繰り返し。
「ある」シアワセもあるけど「ない」シアワセもある。
無くすことで別の世界が現れるということ。
そっかそっかと会場を後にした私です。

稲垣さんと私の共通した点を勝手に感じていた私。
だけど稲垣さんのように無職になっても執筆依頼や講演依頼やテレビ出演依頼が私に来るわけではない(笑)。
ここら辺がむつかしい点なのだけど稲垣さんは選ばれし人なのかもしれません。
でも私の選択した人生も中々悪くないと感ずる次第です。

稲垣えみ子さんは自然体の方でした。
もっと色々とお話してみたい方でした。
lect.jpg




nice!(0)  コメント(0)